何を遊ぶかよりも誰と遊ぶかが重要
所属していたエンドコンテンツ攻略パーティーが役目を終えたころ
自分が何をしたいのかイマイチよくわからなくなってしまったあたりの話。
とあるプレイヤーに出会い、その日から全ての景色が変わって見えた。
「よかった、オンラインゲームにまだこんな面白い人いたんだ」
素直にそう思えるほど、心に響く出会いだったのを覚えている。
彼とはFF14を辞めた今でもTwitterで繋がっていて、大人になってからできたマブダチ。
彼の名はTexas Dandy
一言で彼を表すなら紳士だろうか。
とにかくジェントルマン。
いつの間にか一緒にいたような記憶もあったけれど、よく思い返してみるとなんとなく声をかけたような気がする。
たしか…クルザスといったかな。
雪しかないMAPでおもむろに近づいていっていきなり話しかけた記憶がある。
「おい」
とは言わなかったけれど、なんだかフィーリングが合いそうだなと声をかけた気がする。
(正直、なぜいきなり声をかけたのかマジでわからない…)
3分もチャットしなかったのに、自然な流れでフレンド登録をして色んなところになんとなく遊びにいくようになった。
「どこか行きませんか?」みたいなチャットを送ることもなく、ゲームにログインしたらなんとなく隣にいる感じ。
自分からダンディのいるMAPに遊びにいくことも、気づいたらダンディが同じMAPにいることもある。
お互いが「暇だし顔でも見に行くか」的なノリだったのかもしれない。
ダンディはとにかく会話のテンポが小気味よく、切り返しもいちいち面白い。
昔のネトゲみたいで懐かしいなと思っていたら案の定「黎明期のネトゲ経験者」だと明らかになり、お互い好みのゲームまでわりとかぶっているという怖いくらいにフィーリングの合う人だった。
嘘みたいなほんとの話。
何十万というプレイヤーのなかに自分とフィーリングの合う人なんてそりゃいるだろう。
それでもここまでドンピシャのプレイヤーは滅多にいないよ。
奥の深いハウジングというコンテンツ
奥が深いというか、闇が深いというか。
戦闘民族だった頃とは正反対のカジュアルなプレイスタイルになってから、ほんわかした人とよく遊ぶようになった。
その人たちが溜め込んだ貯金を消し飛ばしながら楽しんでいたのが、ハウジングというコンテンツ。
3つの国から土地を選んで購入し、家をたてて家具をおいたり庭をいじったりしてチームのみんなが集まる憩いの場を作るといった遊び方ができる。
高価な家具を組み合わせ棺桶を作ったり、世界観にマッチした水洗トイレを作ったりすると必ずダンディが一番に遊びに来てくれた。
庭に畑を置いたと言えば、毎日のように水をあげにきてくれた。
オシャレでナウい装備が実装されたらすぐに一緒に取りに行った。
目玉コンテンツのヌシ釣り実装
FF14はソロでも遊べるコンテンツがなかなかに充実している。
アイテム制作、採取採掘、ハウジング、そして釣り。
この釣りというのがダラダラしたいプレイヤーにはまさにうってつけのコンテンツだった。
難しい操作なんてなにもなく、ただ魚が食いついたらボタンを押すだけのものだという。
やってみたらこれがまた意外と良いもので、自分もハマる。
ただ意味もなくダラダラとチャットしながら、なんとなく糸を垂らすだけなのになぜか楽しい。
しばらくしてゲームのアップデートがあり場所ごとに「ヌシ」という大物が釣れるようになる。
大物が釣れるというワードだけでテンションが上がってしまうほど、すっかり釣りにハマっていた。
しかし…
毎日バカみたいに釣り糸を垂らしてみたものの、やはり現実は甘くない。
1ヶ月やってもヌシは釣れる気配がなかった。
伝説のヌシ釣り
「全然釣れないんだよね、ヌシ…」
ぼやきながら釣り糸を垂らしているとダンディと一緒に当時めちゃくちゃ仲の良かったもう1人の盟友が集まってきた。
ダンディ「へえ、そんなに難易度高いんだ」
ぼく「たぶんバグで釣れなくなってるんだとおもう」
ルーシー「普段の行いが悪いから釣れないんだよ」
真ん中にいる育ちの悪い糞ガキはルーシーというトロール種の♀だ。
彼女もまたFF14における盟友だったが別の機会に。
あまりにも釣れないものだから諦めようとしたころ突然ダンディが装備をじっと見つめた。
ダンディ思うんだけど…
いま装備しているベルトにふざけた装飾品が付いているせいで魚を遠ざけていると言い出す。
そんなオカルトチックな話があるのか?とは思えなかった。
たしかにこのベルトが怪しい…。
釣り用のベルトなのに、なぜか戦闘系の装飾品が付けられていた。
誰がこんなふざけたことをしたんだと考えるも自分しかいない。
釣りをする隣でゴソゴソと準備を始めるダンディ。
なんと新しい釣り用ベルトを制作してくれるようだ。
足りない素材を調達しにどこかへ飛んでいき、しばらくして装飾品2つ付きの完成品を手渡してくれた。
たしかにステータスは微増するものの、基本的にヌシ釣りには一定数値を超えていれば影響はない。
それでも、なんとかなるような気がして座ってみた
瞬間
かかった。
釣り竿が折れるんじゃないかと思うほど海に引っ張られる。
自分のキャラクターが立ち上がって一生懸命に竿を握りしめていた。
こんなモーション今まで見たことがない……。
呪われたベルトをダンディお手製ベルトに交換した瞬間に
まさかのヌシ一本釣り
何ヶ月もねばって釣れる気配のなかった海のヌシ
[タイタニックソー]がこんなにもあっさり釣れるなんて笑うしかなかった。
この日の出来事はFF14プレイ記録のなかで3本の指に入る逸話だ。
そんなダンディとはFF14を辞めた今でもよく話す。
話すと言ってもTwitterでの会話だけれど、映画だったり漫画だったり…
大人になってから趣味の合う友人ができるというのはほんとうに奇跡に近い。
PS4のGTA5でチャリンコ山登りをしたり、車から車へ飛び乗るスタントマンごっこをしたり、ルールもわからんダーツ勝負をしたり、最近だと雑記ブログを同時にはじめたりもしている。
社会人の友達というのがどれだけ薄い繋がりなのか実感したあと、ここまで趣味が合う人と出会うとは思いもしなかった。
そしてなんと今日が誕生日らしい。
ハッピーバースデー
いつも上質な笑いをありがとう。
次はブループロトコルでも遊びましょう。